香里奈さん主演の木曜ドラマ「嫌われる勇気」が始まりましたね。
ドラマを全くみない僕でも興味を引かれたので見てみました。
というのもですね、僕はアドラー心理学の考え方がかなり好きなんです。
さらに、とっかかりは岸見一郎さんの「嫌われる勇気」だったのでなおさら興味を引かれたわけですよ。
「嫌われる勇気」は10回以上読み返しています。アドラー心理学の本を全部あわせると20回以上でしょう。
てことで、
「嫌われる勇気」のベテランがドラマ版を見てみた
見始めて初めに思ったのはその設定。
えっっっ刑事ドラマなの。。。。。!?
原書では、悩める青年と哲人との対話の形式をとっているのでてっきりドラマもそんな感じだと思っていました。
もちろん対話という形をとらなくてもかまわないですが、刑事ドラマってなんか地雷臭がしますね~
蘭子(香里奈さん)はアドラー心理学の考え方を身に付けており(ただし周りから嫌われている)、事件を解決していくことで周囲にその思想が広まっていくという感じのようです。
進行はちょっと謎ですね。別にアドラー心理学は他人の心理を読むといったことに優れているわけではないからです。
アドラー心理学という名前がついていますが、考え方としては「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いが前提にある自己啓発や哲学のようなものですから。
庵堂蘭子(香里奈さん)の態度
蘭子の態度でいくつか気になることがありました。
彼女は体系的にアドラー心理学を学んだわけではなく、幼いころに自然と身に付けたという設定です。
哲学者ではありませんが、「アドラー心理学」を100%体現できる設定なので哲人といえるでしょう。そんな彼女ですが、ときたま「それ違うんじゃね」という態度を見せるんですよ。
お前ごときが高いコートきてんじゃねーよ
コンブ茶会からの帰り際での一場面。
リーダー「良くお似合いね~新作?」
女性「(ドヤ顔で)イタリアから直輸入」
リーダー「とっても良くお似合い。ねえ蘭子さん?」
蘭子「私には身の丈には合ってないと思いますけどね」
一同顔を引きつらせる
という場面があったんですが、これは失礼なだけでしょう。
「アドラー心理学」では※「課題の分離」といって、発言の結果どう感じるかは言われた側の課題なので、「アドラー心理学的」には蘭子は間違えてないですけど、ただイタリアから輸入した新作のコートを着ていたくらいで否定するのはおかしい。
「あんまり似合ってないと思います」ならまだいいけど、
高いコートを着ている⇒身の丈に合ってない
だと、
「あなたはたいした人間ではない」と言っているのと同じですから。
※「課題の分離」とは誰の課題かを明確にして他者の課題には踏み込まないこと
誰の課題かは次の問いで判断できる
「最終的に誰が責任を取るのか?」
「誰が困るのか?」
「誰がその結末を受け入れるのか?」
周囲に冷たい態度をとる
- 自分に嘘を付きたくないので思ったことは遠慮なくズケズケ言います
- 不必要な会議には出ません
- ケーキ屋で列に並んでいてショートケーキが最後の一個、後ろに並んでいる小学生くらいの子が「ショートケーキが食べたい!」と周りにアピールしているのに気にせずショートケーキを注文します。
- もちろん幸せそうな笑顔でほおばります
蘭子は課題の分離が徹底しています。
自分に感情に素直で他人に好かれるための行動をしません。
ここまで徹底して課題の分離ができるのは素晴らしいの一言!
でも、彼女は周りから浮いてしまっています。それは彼女が周りに冷たい態度をとっているからでしょう。
「嫌われる勇気」を
嫌われるような態度をとること
だと勘違いする人が多そうだなと思いました。
「課題の分離」をすることで他者の課題に踏み込まない、自分の課題に踏み込ませない。
このことで、
他者から嫌われるかもしれないが気にする必要はない自分のための人生を生きよう
っていうのが正しいニュアンスです。
嫌われる勇気=承認欲求の否定です
まとめると、このドラマで蘭子が嫌われているのは彼女が「嫌われる勇気」をもっていて、課題の分離を徹底することで実際に嫌われている。しかし彼女が嫌われているのは「アドラー心理学」を実践しているからではなく、きつめの性格で愛嬌がないから。
ってことで蘭子が周囲に冷たいのはアドラー心理学的にみて矛盾してないし、彼女は素晴らしい「アドラー心理学」実践者でした。。
ドラマは継続視聴します
ドラマ版はつまらないという意見が多いみたいですね。まあ僕もストーリーはあんまりピンと来てませんが、蘭子の考え方が参考になるので僕は継続して視聴しま~す。
僕が危惧しているのはドラマ版だけ見ることで「嫌われる勇気」を勘違いして、嫌われるような態度をとるようになるのではないかという心配があります。
ドラマ版を「アドラー心理学」に興味が出た人は原書を読んで見るのが良いと思います。
少し長いですが、対話編になっているのでスイスイ読めますよ。
そういうことなんで、じゃね!
僕はアドラー心理学で恩恵を得ています↓